ポートランド、バラバラだから面白い

ポートランド、バラバラだから面白い

以前、ポートランドと言えばのお店で『Kenndy School (ケネディー・スクール)』ってところをご紹介しました。

ケネディー・スクールを紹介した記事はこちら
「ポートランドの魅惑の地、ケネディ・スクール」
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廃校になってしまった学校に醸造所を作り、そこにバーやレストランや映画館、ホテルまで併設した、ポートランドでもかなり風変わりなお店。

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何が一番風変わりかって、そこに置いてある装飾品の数々。

アンティーク調の中華風の絵があったと思ったら、

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ガチのネイティブアメリカンの肖像画があって、

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そしたら今度はライオンが擬人化されて凧揚げしててその横にはケーキやらのコラージュがしてあるっていう何を訴えたいのか全くわからない絵もあったり。

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絵だけじゃなくて、置物だって、中華ドラをもったインドネシア風の人形、その横にアメリカ星条旗をあしらった絵・・・みたいな。

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かなりイっちゃってると言えばイっちゃってるんですが、実は、ケネディースクールのみならず、こういうお店が当たり前にポートランドには数多く存在します。

特に、”昔ながらの”お店に。

『Oblique Coffee Roasters (オブリーク・コーヒー・ロースターズ)』

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名前からしてすごい。

「Oblique」ってのは「斜め」とか「傾いてる」って意味なんですが、名前のまんま、お店そのものが傾いてるんです(笑)

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完全に民家に混じる一軒家風のコーヒーショップなんですが、多分、このお店始めた時に、

「ちょっとちょっとここ建物傾いちゃってるよ、でも、家賃安いしなぁ・・・そっか、そのまんま名前にしちゃえばいいじゃん、『Oblique Coffee Roasters)』、「傾いたコーヒー屋さん!」、いいじゃん、いいじゃん!」

きっとそんなノリ(笑)

店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、天井から逆さに吊るされた自転車、その横にはキノピア(みたいな)操り人形。

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バスケも好きなんだろうなぁ、時代バッラバラのブレイザーズの人形やグッズに、あっちゃこっちゃに吊るされるおもちゃのバスケットゴール。

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犬も好きなんでしょうね、絵がいっぱい飾ってある、絵の大きさもタッチも描かれてる犬種もバラバラのね。

こういうお店に共通する 特徴、椅子だってバラバラ!

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きっとね、オーナーが好きなものだけをお店に持ち込んで、それが全く統一感がなかったとしても、そのオーナーの”好き”ってくくりの中では全てが繋がってるんです。

ふぞろいだけど、かっこいい・・じゃなくて、ふぞろいだから、かっこいい。

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ジグゾーパズルのピースと一緒で、一つ一つは歪(いびつ)な形、でも、それが一つになると素晴らしい絵になる。

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歪じゃないピースなんてどこにもないし、その歪なピースが一つでも欠けるとこの絵(お店)は成り立たない。

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こういうお店にこそ、『Keep Portland Weird (ポートランド、変なままでいようぜ)』の精神、スタイルの真髄を感じます。

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その他にも、Alberta St (アルバータ・ストリート)ってところにある『Vita Cafe (ヴィータ・カフェ)』も、オーナーの好きの癖がすごい。

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自転車パーツを中心に、色々。

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そして、これまたこういうお店の特徴、トイレのあっちゃこっちゃが落書きだらけ(笑)

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この『Vita Cafe (ヴィータ・カフェ)』はビーガン向けの料理を提供してるお店なんで、例えビーガンやベジタリアンじゃなくても、ポートランド滞在中、胃がに疲れたって時にオススメ。

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ポートランドのみならず、オレゴン全体にこういう”昔ながらのお店”はまだま残ってて、Corvallis(コーバリス)という僕が留学してた街で、当時毎日のように通っていた『Interzone (インターゾーン)』もこういう感じ。

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この前、家族で行った時に久々に立ち寄ったけれど、あの頃と変わらず、安定のバラバラ感。

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多分だけど、昔っから何かを統一して綺麗に仕上げるってのが大の苦手だから、こういうお店にシンパシーを感じるし、「あ、これでいいんだ」って安心感があるんだと思う。

だからこそ、こういうお店こそ妙に落ち着く。

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ちなみに、息子は几帳面(笑)

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そうそう、ふぞろいだけど、一本筋が通ってる、このポートランドらしさを音楽で体現したアーティストがいます。

それがポートランド出身の『Pink Martini (ピンク・マティーニ)』。

元々、クラシックやジャズをベースに、世界のありとあらゆる音楽を自分たちに取り入れてるビッグバンド。

日本でも一度大きく話題になったのは、由紀さおりさんの『夜明けのスキャット』がリバイバルブームした時。

あのきっかけも、彼女の古いレコードを何故かポートランドの中古レコード屋さんでPink Maritiniのリーダー、トーマス・M・ローダデールが発見して、そこから由紀さおりさんに直接コンタクトを取ったことから始まったそうです。

その年の紅白も由紀さおりさんと一緒にポートランドから生出演してましたね。

彼らの2月にリリースされた最新作『Je dis oui! (ジュ・ディ・ウイ!)』、今度は何と9ヶ国語にまたがって歌い、これまたワールドスタンダードな曲が詰まった一枚となっています。

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今なお、世界のありとあらゆる音楽に対して貪欲に吸収していく姿勢がかっこいいす。

これまたジャンルで言ったらバラバラだけど、彼らの「好き」「かっこいい」って軸がぶれてないから、その全ての音楽が『Pink Maritini』って音楽になってる。

ふぞろいの”ピース”が集まって一つになってる、まさにポートランドの街、そのものなバンドです!

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