ポートランドには「世界で一番美しい日本庭園」があります。
と言うと、ちょっと語弊があるんですが、正確に言うならば、「日本にある日本庭園以外で、世界に存在する中で一番美しい日本庭園」がある、ですね。
ポートランドのダウンタウンが一望できる小高い丘の上のワシントンパークという自然豊かな公園の中に、1963年に造園。
以来、市民のみならず、ポートランドを訪れる人たちの憩いの場としてそこにあります。
僕が初めて訪れたのは、留学した直後なので、18歳の夏・・今からちょうど20年前です。
留学生活が始まって1ヶ月くらい経ったところで、友人が「そろそろ日本が恋しいんじゃないのか?」と若干のホームシックにかかっていた僕を気遣って連れてってくれました。
ちなみにその友人、「クリスチャン」っていう名前の仏教徒(笑)
日本の坪庭だったり、茶屋、手入れの行き届いた木、草花。
よくわからないものを提供する”フェイクジャパニーズレストラン”とは全く違う、”本物の”日本庭園がそこにはありました。
ホームシックは治りました(その1ヶ月後に大失恋して、再び重度のホームシックにかかり、おばあちゃんと電話で話しながらオイオイ声をあげて泣き出すんですがね)。
このポートランドの日本庭園ですが、実は今年(2017年)の2月にリニューアルオープンしたんです。
庭園内に隈研吾さん監修の新しい建物が出来たり、元々の趣を保ちつつ、今の日本の良さも取り入れた庭園に生まれ変わりました。
綺麗でした、どの風景を切り取っても。
特に感動したのは、細かいところまで整えられた日本の松の木と、その奥の森に雄大にそびえ立つオレゴンの木木々!!
このコントラストには参りました。
手をかけた自然と、手がつけられない自然、どちらがどうとかではなく、そのどちらもが目に飛び込んでくる景色の中に存在し、そのどちらもがとことん美しい・・!
あのホームシックにかかっていた時の僕、つまり18歳の頃の僕には気付けなかったことでした。
味の素がスポンサーとなった 「UMAMI CHAYA (うまみ茶屋)」というお茶処もあって、やや起伏の激しい園内を歩き疲れた人たちの口を潤してましたね。
日本で輝く日本の美しさはもちろん、このポートランドの日本庭園のように、現地のものと見事に融合しながら日本の輝きを放っているものにも、心強く惹かれます。