今までも幾度となくお伝えしてきましたが、ポートランドは「バイクタウン」です。
モーターサイクルのほうではなく、自転車の方の「バイクタウン」。
ポートランドに通う通勤者の約4割の人が自転車通勤をしているほど。
なぜにこれほどまで自転車を愛好する人たちが多いのか?
まず第一に考えられる理由が、自然との距離感です。
自転車に乗って30分も走れば”秘境”のような森に身を置くことが出来てしまう。
週末まで待たずとも、仕事終わりに少し自転車を走らせれば、大好きな自分だけの釣りスポットやドレッキングポイントにたどり着く。そしてまた明日の仕事への活力とする。
自転車はまさにそんな自然と自分の日常を”チューニング”するツールでもあるわけです。
それだけ自転車を愛好する人たちが増えてくると、今度は街もお店も無視が出来なくなってきます。
「あの店は駐輪場がない、じゃあ俺たちは行かないよ。」
”バイクフレンドリー”か否かというのが、彼らが常連さんになるかどうかの分かれ目。
お店からすると商売に大きく関わってくるわけです。 駐車場スペースの何台分かを駐輪場に変更する。
こうやってバイクユーザーにとって住み良い環境がバイクユーザーたちによって生まれてくるわけです。
こんなお話もあります。
「俺たちのお気に入りのこのレストラン、味も良いし、オーナーの考え方も大好き! でも、彼らは街の真ん中の路面店で駐輪場がない。よーし・・・」
と、お店の常連さん何人かの呼びかけにより寄付が集まり、そのお金でお店の目の前にある車一台分のパーキングロットを市から借り上げ、年間契約を結んじゃったりするわけです。
それをそのお店のオーナーにプレゼント。
「これからも俺たち、バイクユーザーをヨロシクね!」
バイクユーザーが自分たちが楽しむだけの単なる”ユーザー”に留まらず、必ずこうやって”サポーター”となって街を形成していってるわけです。
こうやって民間の力で少しずつ変わっていき、最終的には行政も動きだし、街の至るところにバイクレーンが敷かれるようになりました。
今やポートランドは世界有数の「バイクタウン」へと変貌を遂げたわけです。