“Graffiti (グラフィティー)”、HIPHOPを構成する大きな要素。
そもそも「落書き」から始まったもの。
HIPHOPが生まれた頃はNYの地下鉄に、アーティストたちが夜な夜な自分の作品を無許可で描き、それが走る姿を見ることで自分のアーティストとしての矜持を示していたそうです。
(この辺りの詳しいことはNetflixのドラマ『ゲットダウン』で詳しく紹介されています)
そして、「落書き」がいつしか立派なアートとして認められるように。
しかしながら・・今でも、ちょっと薄暗くて人通りがあまり無い高架下や駐車場やなんかに描かれてるっていうイメージもあるのもまた事実。
でも、ポートランドのそれはちょっと違います。
そもそも”Graffiti “って言葉は使わず、”Mural”って単語を使っています。
日本語に訳すと「壁画」。
かつてはポートランドも、あまり立ち寄っては行けないよって言われてた地区に無許可の「落書き」が溢れたりしてました。
例え無許可でなくとも、壁のオーナーと描き手の両者の合意で自由に描くことが出来たそうなんですが、今ではしっかりポートランド市が管轄しているんです。
市の許可を得るか、RACC(Reginal Arts & Culture Council)って団体の許可が必要。
その代わり、許可さえ下りればコソコソやるんじゃなくて、街中のどんな場所だって堂々と自分の作品を提供することができる。
ポートランドの考えはこうです。
まず、誰かオーナーの持ち物である壁でも、それは地域(ネイバーフッド)のものでもある。
そこに住む人たちが毎日目にするものだからこそ、「壁画」は楽しいものであるべきだし、その地域にとって”象徴”なような存在であって欲しい。
不良たちがたむろする場所にするんではなく、むしろ地域の人が「壁画」を大切にすることで、目を見張り、非行や野蛮な行為を無くしていこうじゃないかって。
そして、ポートランド在住のアーティストたちにどんどん描いてもらって彼らの支援もしていこう!
この考えを共有しているからこそ、お店やビルディングオーナーも地域コミュニティーへの奉仕の一環として「壁」を提供しているし、またそれが自分たちのビジネスに繋がることも深く理解しています。
ポートランドの街を歩いていると、本当に様々な「壁画」に出会います。
一々写真を撮りたくなる。
時に、その「壁画」の工程作業にも出会えます。
「描き始めて・・1ヶ月くらいやってるかな。次の冬には完成してるよ。」
なんて会話も楽しめて、更にはこれが次回訪問する時の楽しみにもなったりするわけです。
お、出来てる、出来てる!って。
だから僕は年に何回も行くんです、ポートランド(笑)